
東京の男子校で「麻布」の存在をよく耳にするんだけど、どんな学校なんだろう?「いい意味で、相当ぶっとんだ学校で頭おかしい」という噂は聞くけど、完全に謎でしかない。
…そんな方向けの記事です。



だって、妻が「私にとっては憧れの学校よ。彼氏が麻布だったら自慢したかったもん。」と意味深なコメントを漏らしてましたからね。
そんな折に見つけたのが、書籍『「謎」の進学校 麻布の教え』です。
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こちらを読了したので、
- どんな人が書いたか(著者)
- そもそもどんな本か(内容や要約)
- どんな人にオススメの本か
をご紹介します。
それでは行きましょう!
『「謎」の進学校 麻布の教え』の基本情報


著者・出版社・出版日など
タイトル | 「謎」の進学校 麻布の教え |
帯コメント | 50年以上、東大合格者数ベスト10入り!でも…この学校、何かが「変」だ |
著者 | 神田 憲行 |
出版社 | 集英社 |
出版日 | 2014/10/17 |
神田 憲行さんのプロフィール
著者の神田憲行さんはこんな方です。
- 1963年、大阪府生まれ
- ノンフィクションライター、夏の高校野球を20年以上にわたって取材
高校野球の取材が高じて、教育や高校生を取り巻く問題に興味を持つようになって本書に至っています。
『「謎」の進学校 麻布の教え』のあらすじ・要約


ザ・麻布学園(中学・高校)の取材報告
作品紹介は以下のとおりでして、一言でいえば、麻布学園の取材レポートです。
灘、開成、筑駒……東京大学合格者数ランキングの「常連校」は数多く存在する。
しかし、50年以上トップ10に名を連ねる麻布の校長は「東大入試のために六年間も使うのはバカバカしい」と断言して憚らない。校則も無ければ、大学現役合格にもこだわらない。いわゆる「進学校」のイメージを裏切り続ける麻布。
独自の教育と魅力を解き明かすべく、現役の生徒から図書館司書、保健室の先生、麻布が輩出した各界OBの証言までを徹底取材!
ただ、↑だけではイメージつきづらいですよね。
ぼくが特に印象に残ったパートを引用しつつ、ご紹介しますね。
事例:ドラえもん問題(多様な視点重視)
入試の話で、いきなり「ドラえもん問題」なるものが登場します。
今年の入試では麻布学園の「ドラえもん問題」が話題になりました。
どういう問題かというと「ドラえもんは優れた技術で作られていますが、生物として認められることはありません。それはなぜですか」というものでした。こういう問題は受験勉強では絶対に出会いません。
麻布中学の「ドラえもん問題」は何を意味する? | ワーキングファーザー”お受験”サバイバル | 東洋経済オンライン | 経済ニュースの新基準
大手学習塾のサピックスによると、麻布学園は、
- しっかりと勉強してきているか
- 多角的な視点をもって物事をとらえることができるか
を見る傾向にあるんだそうで。



で、とある先生が感動したエピソードとして、取り上げられていたのがこんなお話です。
かつて白黒テレビ・冷蔵庫・洗濯機が『三種の神器』と呼ばれた時代がありました。そのあと1960年代にクーラー・カラーテレビ・カー(車)が登場して、今度は『三C』と呼ばれるようになりました。
家電製品におけるこの変化によって、人々の生活はどのように変わりましたか?
市販問題集の答えでは「エネルギーの需要が増えた」となりそうなところを、
『コミュニケーションがとれない社会になった』。
いわく、『車を使うから公共交通機関を使わなくなった、クーラーがあるから外に出なくなった、カラーテレビも同じ。だから人同士がコミュニケーションする機会が減った』
と解答する子どもがいたんだそうで。。
これこそまさに「多角的な視点をもって物事をとらえることができるか」を体現出来ている例とのこと。
ランドセル背負った小学生がイッチョマエに答えることも驚きですが、それに素直に感動する先生がいるのがいいですよね 🙂
事例:好奇心>地道な努力
麻布は 「ほんと、地道な努力が嫌いな子どもが多い気がします」 だそうです。
どういうことかというと、たとえば漢字の書き取りが嫌い。あとは字が汚い子が多い。たぶんお父さんお母さんの注意を聞く子が少ないと思います。きれいに書きなさい、と言われてもそのまま聞かない。
良いように言えば自我が早くに確立されているのかもしれません。
だからこそ、
- 物事を素直にしか受けとれない子
- 言われたことに疑問をもつこともなく、そのまま受けとっちゃう子
は、麻布と合わない可能性が高いとのこと。
子どもって先天的にみんな好奇心をもっていると思うんですよ。それが家庭環境のなかで『これやりなさい、あれやりなさい』と言われている子どもは、自分の疑問をあと回しにする癖がつく。
でも、逆に家庭でいろんなことをお父さんと一緒に調べている子どもがいる。
そういうことだと思うんですよね。



事例:「頭おかしい」「文化祭がすごい」(麻布の評判あるある)
面白いのは、「他の学校の生徒からどんなふうに思われていると思いますか。」という問いに対する生徒の回答。
主な解答は以下だそう。
- うるさい奴
- DQN
- 頭がちょっと飛んでいる
- 変な奴ら
- 文化祭がスゴイ、気持ち悪い
- 過剰に頭よいと思われている、恐怖の対象
- 汚く迷惑
- 頭よい+少し怖い
- 気持ち悪い奴
- ヤバイ・おかしい
- 頭おかしい人がたくさん的な
- 勉強できるスゴイ奴
- アホ・コミュ障
- みんなで固まってバカやってるな
- 自由。頭がよい
- 不真面目
- 金髪、ナンパ、迷惑
- 自由とかおかしいとか
- 変なよくわからない集団。頭よい
- うるさい、理解不能
- 怖いらしい
- うるさい迷惑
ぱっと見、“怖い”とか“恐怖”というキーワードが出てきていることに驚きませんか?
本書によると、理由は次のとおり。
「怖がられている」というのは、頭の回転が早くて弁が立ち、自己主張が強くて髪の毛を染めた私服なので、塾などでそう思われているようだ。
素朴で面倒くさい人たちですね笑
なんか、本当に校則とか無いに等しいようで・・・自由すぎます 😯
ピックアップレビュー
Amazonに強く同意するレビューのコメントが載っていました。
引用してご紹介します。
麻布、その自由さで際立っているのだが…そもそも、ほとんどの人は、自由なんか求めてない。
なぜなら、自由の少ない環境では、考えなくて済む。
考えないのはラク、だから、本当は人は不自由を好む。
でも、人が自由な環境に放り出されたら、考えざる得ない。
麻布が自由である理由、それは、おそらく「自分のアタマで考える人間を育てる」ためなのでは?
『「謎」の進学校 麻布の教え』はこんな人に読んでほしい


ずばり、こういう方ですね。
麻布学園(中学・高校)に興味があり、評判や内情理解を深めたい
合わせて、
他の男子校や共学校についても知りたい
という方もいらっしゃるでしょう。
そういう方は、少し前のシリーズですが、東洋経済オンラインのこれらのシリーズもいいかもですし、
別途で記事も書いていまして、「『男子校という選択』のレビューまとめ」「『女子校という選択』のレビューまとめ」も参考ください。
・・・
この本は以下について書きました。
東京の男子校で「麻布」の存在をよく耳にするんだけど、どんな学校なんだろう?「いい意味で、相当ぶっとんだ学校で頭おかしい」という噂は聞くけど、完全に謎でしかない。
こちらの悩みを少しでも解決できていれば嬉しいです^^
ほんだらのー!