『男子校という選択』のレビューまとめ【男子校出身者は絶滅危惧種です】

悩む人

大学入る前までは「共学で良かったー!」と思ってたのに、大学で初めて男子校出身の人に会ったら「男子校で良かったー!」と言ってて、びっくらたまげたんだけど。男子校ってどんなところなんだ?

ぼくは共学出身です。

もちろん、世の中に男子校なるものがあることは知っていましたが、いつも共学で良かったーと思っていました。

カンガルーパパ

だって、女子がいたほうが明らかにキュンキュンする瞬間が多いですからね。

だからこそ、冒頭の男子校出身者の発言に衝撃を受けたんですね。

そんな過去があったからでしょう、

↑この本のタイトル『男子校という選択』を見て秒で書いました。

…スイマセン、秒で買ったというのはというのは嘘でして。

実は、本書の次の主張に興味を持ちました。

「これからは多様性の時代。男子だけの集団で学ぶことは時代に即さない」という論理を盾に、男子校の存在を否定するような風潮こそ「教育の多様性を損なう」という矛盾を指摘したい。

男子校のことはよく分からないです。

でも、素朴に疑問なんですよね。

「なぜ、周りの男友達で男子校通っていた子は全員が全員、男子校生活を楽しい・楽しくて仕方ない、と言うのか?」

その秘訣を探るべくこの本を一気読みしたので、備忘録がてら以下についてまとめます。

  • どんな人が書いたか(著者)
  • そもそもどんな本か(内容や要約)
  • どんな人にオススメの本か

それでは行きましょう!

目次

『男子校という選択』の基本情報

勉強中の男子校生徒

著者・出版社・出版日など

タイトル男子校という選択
副題
著者おおたとしまさ
出版社日本経済新聞出版社
出版日2011/12/9

ちなみに、2019/10/9に新版が発売されました。

おおたとしまささんのプロフィール

おおたとしまささんのプロフィール概要は以下のとおり。

育児・教育などのテーマで著書・講演多数の方でして、ご存知の方もいるかもです。

  • 育児・教育ジャーナリスト
  • 麻布中学・高校卒業→東京外国語大学英米語学科中退→上智大学英語学科卒業
  • リクルートで雑誌編集
  • 心理カウンセラーの資格、中高の教員免許、私立小学校での教員経験あり
  • 2005年に独立後、育児誌、教育誌、妊婦誌、旅行誌などのデスク・監修を務める
  • オフィシャルサイト:http://toshimasaota.jp

『男子校という選択』のレビューまとめ

喜ぶ男子たち

第一声はこれです。

俺も男子校に入ってみたかった…!

いや、これだけ「男子校の特徴」「男子校あるある」を見せられたら、一度身を置いてみたいと思うものですよ。

男子校の特徴

以下のとおり。

  • 男子だけでのびのびできる
  • 自分探しに集中できる
  • どんな男子にも居場所がある
  • 徹底的にバカが出来る
  • 失敗を恐れないムードがある
  • 男子のペースで待ってもらえる
  • 教師とストレートなコミュニケーションがしやすい
  • 男子の特性に合わせた学習指導がある
  • 男子のためだけに考えられた行事がある
  • 思春期の男子を抱える母親のためのサポートがある
  • 異性への憧れや畏怖の念が深まる
  • 異性について、自分の役割について、自由な議論ができる
  • 外向きのコミュニケーション能力が身につく

男子校あるある

例えば、「土砂降りの中、昼休みにグラウンドで遊ぶ」っていうレベルであれば、別に共学でもあると思うし微笑ましいで済みますが。

<全裸カーテン>

卒業アルバムの写真を全裸でということになり、『さすがに全部写っちゃまずいだろ』と教室のカーテンをみんなで腰に巻いて撮影

とかって話を聞くと、少しびびります笑

<親友ができる>

誰も外見など気にしない。オレはこんなやつだ。オマエはどんなやつなんだというようなコミュニケーションを取り、体育会系も文科系も分け隔てなく、クラス全員が親友状態になる

一生モンの友達ができるというのもよく耳にします。

<武勇伝が毎年生まれる>

男子進学校といえば、「ガリ勉集団」というイメージがあるかもしれないが、実情は「勉強だけしていれば成績が良いのは当たり前。逆に遊んでばかりで何も成し遂げられずに高校生活を終えるのはもっとカッコ悪い」と考えられている。 部活や趣味に打ち込んでいたり、近隣の女子校生との噂が絶えなかったり、ギリギリまで好きなことに打ち込んでいたり、……それでも最後の最後で受験勉強に集中し、見事現役で第一志望合格を果たすという武勇伝が毎年生まれる。

周りの男子校出身者を見渡しても、確かに武勇伝ありそうな猛者が多いです。

<男子校ではナンパは是>

女子がいないこと。これは男子校のメリット。女子と友達になろうと思ったら外に出ていかなければならないですよね。つまり、常にアウェイでの戦いをしなければならない。ホームの学校では男同士、汚い格好をしてくだらないことを話していても、外に出る時は襟を正して、相手に合わせたコミュニケーションをしなければならない。

登場する様々な男子校のエピソードを見ると、男子校ゆえに“女子がいない”ことについては凄くポジティブですね。

デートやナンパについても「行くなら行って来い!」、「肝試しだ」的なノリ。

カンガルーパパ

世の中の女の子を持つ親御さんは、この、「男子校ではナンパは是!」というコトをしっかり認識しとかないといけませんね。いつ、自分の娘がナンパされるか分からないんだから笑

男女別学の価値

もう1つ興味深かったのは、「海外だと男子校や男女別学(≠共学)の価値が高い」こと。

海外は男女別学が増えている

イギリスや韓国でもそう。アメリカでも男女別学の公立校が増えてるんだとか。

「なぜ?」と思いますよね。

理由は、「男女別学のほうが成績に男女差が生まれないから」だそう。

そもそも男子と女子なら女子の方が若干優れているらしく(!)、その男子が劣る部分は、男女共学でカバーするよりも別学(=男子校)でカバーした方が効果的だそうです。なぜなら、男子には男子に適した教え方があるから。
例えば、男子は生徒同士が競争するような働き方が効果的なのに対して、女子には協力して学ぶシチュエーションが効果的だとか。
例えば、男女共学だと、女子がいることで女子への配慮が求められることそのものが、男子への教育上よろしくないとか。

実際、本書には次のように書かれています。

共学では、まず女子の気持ちをつかまないとクラス運営がうまくいかないのです。男である自分は非常に気を使いました。一年生の女子生徒に厳しく注意したところ、それから卒業するまで一言も口をきいてもらえなかったこともありました。

男子には、「ダメなものはダメ」というシンプルなコミュニケーションが好ましいが、女子にはそれが効かないというのだ。よって共学の教室では、女子だけでなく男子に対しても女子向きなコミュニケーションをとらざるを得なくなるケースも多く発生する。

カンガルーパパ

なるほどなぁと思いますよね。

もともと日本は男女別学

もともと日本も男女別学が当たり前だったそう。

  • 江戸時代の「若者組」や「若衆宿」という男子だけが集まる拠点、「娘宿」という女子だけが集まる拠点
  • 明治以降も「小学校は共学、中等教育は男女別学」がスタンダード

ところが、戦後、GHQが共学化が命じたと。

…が、一部の学校が従わなかったらしく、その多くが私立でした。

その後月日は流れ・・・少子化の波が押し寄せ、生徒を集めるために共学化を図るというニュースが続々と報じられました。
2002年に早稲田実業学校中等部・高等部、2008年に明治大学付属明治高等学校・中学校・・・。これらが俗に言う「共学ブーム」です。

だからこそ、こういう共学の流れに対して、筆者は

「これからは多様性の時代。男子だけの集団で学ぶことは時代に即さない」という論理を盾に、男子校の存在を否定するような風潮こそ「教育の多様性を損なう」という矛盾を指摘したい。

となるわけですね。

男子校出身者は絶滅危惧種 ※激減中

そんな男子校ですが、驚くなかれ。

全国にある高校のうち、生徒が男子のみの高校はわずか2.6%。公立のみで数えれば、男子のみの学校の割合はわずか0.4%

だそうです。

男子校、めちゃくちゃ絶滅危惧種ですね。

参考記事を2つ紹介しておきます。

男子校・女子校・共学校という選択 より引用

『男子校という選択』はこんな人に読んでほしい

男子校生徒

ずばり、自分のお子さんを男子校に入れようかどうか検討中の親御さんです。

特に、ご自身が共学出身の親御さんで、以下疑問をお持ちの方にはぴったりかもです^^

大学入る前までは「共学で良かったー!」と思ってたのに、大学で初めて男子校出身の人に会ったら「男子校で良かったー!」と言ってて、びっくらたまげたんだけど。男子校ってどんなところなんだ?

ほんだらのー!

SNSでシェアお願いします
目次
閉じる