
上司に『イノベーション・オブ・ライフ』っていう本がオススメって読むことを勧められた。なんでも『イノベーションのジレンマ』の著者が書いた本らしいけど、どんな本なんだろう?
…そんな方向けの記事です。





- どんな人が書いたか(著者)
- そもそもどんな本か(内容や要約)
- どんな人にオススメの本か
をご紹介します。それでは行きましょう!
『イノベーション・オブ・ライフ』の基本情報


著者・出版社・出版日など
タイトル | イノベーション・オブ・ライフ |
副題 | ハーバード・ビジネススクールを巣立つ君たちへ |
著者 | クレイトン・クリステンセン |
出版社 | 翔泳社 |
出版日 | 2012/12/7 |
著者:クレイトン・クリステンセンさんのプロフィール
『イノベーションのジレンマ』の著者
有名な本ですので、ご存知の方もいるかもです。
「過去に成功体験が足枷になって新しいチャレンジが出来ない」ことを言います。
例えば、「PC全盛期には上手くいったけど、その成功体験がでかすぎてスマートフォン市場への参入が遅れた」ような事例ですね。
ところで。
なぜ、『イノベーションのジレンマ』のクリステンセンさんが、私生活・家庭についても本を出したのか、気になりますよね?
私生活・家庭をテーマにする理由
答えは、「はじめに」に書かれています。
きっかけは、クリステンセン自身の同級生との同窓会です。
- 卒業5年後の同窓会:出席率は高くみんな羽振りが良く楽しかった
- 卒業10年後の同窓会:欠席者が増加、不幸せな人も増加、「おや?」と感じた
クリステンセンさんが10年後の同窓会で見た同級生の姿は、こんな感じです。
- 社会的成功という仮面の陰で、多くの人が仕事を楽しんでいなかった。
- 離婚や不幸な結婚生活の話もよく聞いた。
- ここ何年か子どもたちと口もきかず、大陸の両端に分かれて住んでいるという同級生がいた。
クリステンセンさんは思ったんですね。



さらに時は流れ、25年目、30年目の同窓会は、もちろん賞賛すべき仕事&プライベートを実現している仲間もいるものの、
- マネーロンダリングに伴う刑務所行き
- インサイダースキャンダル
- 未成年者との性的行為による監獄行き
- 離婚、離婚、離婚・・・
こういう仲間も多くいたそうです。
『イノベーション・オブ・ライフ』の要約


『仕事の成功』が足枷になり『家庭』に参入出来ない
クリステンセンさんは、自らの著書『イノベーションのジレンマ』に照らして思いました。
「過去に成功体験が足枷になって新しいチャレンジが出来ない」ことを言います。例えば、「PC全盛期には上手くいったけど、その成功体験がでかすぎてスマートフォン市場への参入が遅れた」ような事例ですね。
彼らに起きているのは『仕事の成功』が足枷になり『家庭の成功』に参入出来ないジレンマではないかと。
キャリア中毒
生まれつき達成動機の高い人たちが沢山いる。
この動機を一番手っとり早く満たす方法が、キャリアだ。わたしたちの資源配分プロセスは、時間や労力に多少余裕ができると、はっきりと目に見える成果がすぐに得られるような活動に注ぎ込んでしまうようにできている。
こうした証拠を確実に得られるのが、キャリアなのだ。
「キャリア」には、中毒性があるとぶちかまします。
例えば、これらですね。
- 昇進
- 昇格
- ボーナス
アリ地獄のような中毒性ゆえ、立派な子どもを育てることを後回し。
- 昇進や昇給などで見返りを手にしては、
- 家族の生活水準向上(車、家、旅行…)に捧げて、
- その生活水準維持のためによりキャリアに時間を注ぎ込む
たった3行なのにエリートの悲哀が伝わってくる、悲しいスパイラルですね。
以下のくだりは、まさに言い得て妙でして、この記事をご覧のあなたもドキリとしませんか?
とくに前途洋々な若きエリートたちが陥りがちな間違いは、人生への投資の順序を好きに変えられると思いこむことだ。
たとえばこんなふうに考える。「今はまだ子どもたちが幼くて、子育てはそれほど大事じゃないから、仕事に専念しよう。子どもたちが少し成長して、大人と同じようなことに関心をもつようになれば、仕事のペースを落として、家庭に力を入れればいいさ」。
「子供とのおしゃべり」に投資を
研究によると、子どもが言葉に触れるべき最も重要な時期は、生後1年間だそう。
『イノベーションのジレンマ』のクリステンセンさんが言うのだから、信憑性ハンパないです。
「ただ単に子どもに語りかければいい」というわけではないんです。
子どもと面と向かって会話をし、まるで子どもが話し好きな大人たちの会話に加わっているかのように話しかけることが重要なんだとか。
NG例
「お昼寝の時間よ」
「車に乗りましょう」
「牛乳を全部飲んじゃいなさい」
OK例
「赤のドレスと青のドレス、どっちがいい?」
「今日は雨が降りそうだね」
「●●だったらいいと思わない?」
研究現場では、これを”言葉のダンス”だとか、”余計なおしゃべり”、と言うそうです。
子どもに身の周りで起きてることを深く考えさせる効果があり、脳内シナプス経路が活性化されるそうですよ。
【再掲】想像よりもはるか前から、子どもとのおしゃべりを
くどいですが、あのクリステンセンが言うんですよ。
- 毎日毎日、小さな子どもに“余計なおしゃべり”することが重要
- 多分あなたが思っているはるか前から、子どもに投資しなくてはいけない
「低所得労働者でも、子どもにたくさん語りかけた人は、子どもの成績が非常によかった。また裕福な実業家でも、子どもにほとんど語りかけなかった人は、子どもの成績がとても悪かった。
(中略)結果のばらつきはすべて、家庭内で3歳になるまでの幼児に語りかけられた言葉の量によって説明された」。
(中略)これほどの小さな投資が、これほど大きな利益を生む可能性があることには、唖然とさせられる。
『イノベーション・オブ・ライフ』はこんな人に読んでほしい


- ビジネスパーソンで
- めでたく子供が誕生したはいいものの
- 「なんとなく」仕事>家庭な優先順位の人
生き方を考えさせられる良書ですよ。



育児との向き合い方のヒントは、「『忙しいビジネスマンのための3分間育児』の要約まとめ」にも綴っています。
「子どもとべったりな日曜は人生のたった1%しかない」など、読んで新しい気づきの多い本でしたので、ご興味ある方はどうぞ。
この本は以下について書きました。
上司に『イノベーション・オブ・ライフ』っていう本がオススメって読むことを勧められた。なんでも『イノベーションのジレンマ』の著者が書いた本らしいけど、どんな本なんだろう?
↑こんな疑問をお持ちの方に少しでも役立てば嬉しいです。
ほんだらのー!

